黄金の夜明け団系のタロットは特に、ユダヤの神秘主義「カバラ」と密接に関係しています。
カバラとは「受け取る」という意味です。
(受け取り・受け入れを意味するヘブライ語の「レカベル」に由来する
神からの叡智を受け取る。日本の仏教でいう密教に近い。)
カバラって…?
- *Kabbalah 「ジューカバラ」
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(ユダヤカバラーユダヤ教の教えを学ぶ・本来のカバラ・ユダヤ教徒にしか明かされない)
- *Cabala 「クリスチャンカバラ」
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(キリスト教から再解釈されたカバラ思想)
- *Qabalah「ヘルメティックカバラ」
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(クリスチャンカバラから更に派生して、ヘルメス思想なども取り入れる。魔術の基本理論)
カバラは元々は伝統的なユダヤ教を学ぶためのものでしたが、
魔術を学ぶのに都合がいいので魔術理論として使われるようになりました。宗教ではありません。
カバラで最も重要な象徴が「生命の樹」(セフィロトの樹)です。
10個の球(セフィラ)と22本の径(パス)で構成されています。
セフィロトの樹とは?
セフィロトの樹とは、「生命の樹」の別称です。
旧約聖書の『創世記』でエデンの園の中央部に植えられた木のことです。
エデンの中央部には、生命の樹のほかに「知恵の樹(善悪を知る木)」が生えていたとされています。
知恵の樹と生命の樹、両方の実を食べたとき、人間は神と同等の能力をもつ存在になるとされています。
知恵の樹の実を食べてしまったアダムとイブが、生命の樹の実まで食べてしまうと、永遠の命を得て神と等しき存在になってしまうため、ヤハウェはアダムとイブを楽園から追放してしまったのだそうです。
(樹木というのは世界中の神話で重要視されるシンボルです。
樹形図(ツリーダイアグラム)は、ものごとを整理しやすくする思考法でもあり、人の創造性を広げてくれるものでもあります。)
生命の樹は、それ自体が世界であり宇宙であるという捉え方になります。
身体、意識、宇宙をまとめる図であり、あなたが受け取りたいものを受け取れるように整える図形でもあります。
10個のセフィラ(球)と22本のパスにカバラの世界観が図式化されています。
それぞれのセフィラには対応する惑星やキーワードがあり、
22本のパスにはタロットの大アルカナが対応しています。
一番上のケテルが神の世界で一番下のマルクトが私たちの物質世界。
神の光が10の相を経て物質として現れたと考えられています。
神の閃光と進化の蛇
創造の過程(宇宙の法則)ー神の閃光
セフィロトの樹は、神から流出した光が10のプロセスを経て
地上のすべてが顕現することを示しています。
物質世界にあるものすべては、意識の流れによって目に見える形にまで現れていくのです。
上にあるものほど純粋なエネルギーに溢れています。
大いなるものの意識が下へと流れていき、すべてのものが創られます。
上から下への下降は閃光のように一瞬なので、
この意識の流れを神の閃光と言います。
悟りの道ー進化の蛇(叡智の蛇)
逆に下から上へ上がっていくのは、人間の意識進化を表しています。
これは私たちの現実世界から、宇宙の真理へ近づいていく道筋を指し示しているのです。
下から上への流れは時間と空間の制限を受けるため、蛇のようにくねくねと上っていくことになります。
蛇というと「クンダリーニ」を思い浮かべる方も多いかもしれません。
クンダリーニは蛇の形をしていて会陰に潜み眠っていると言われます。
瞑想などで覚醒すると、クンダリーニはとぐろを巻きながら背骨を上っていきます。
生命の樹は人の身体になぞらえることもできるので、
マルクト(仙骨)からケテル(頭頂)へたどり着くことで神と一体化できる、
というように考えることもできます。