タロットの歴史
- 15世紀半ば
-
北イタリア ビスコンティ・スフォルツァ版(現存する最古のタロット)
貴族たちがカードゲームに用いた。一枚ずつ画家による手書き - 16世紀
-
木版画の量産品が出回り始め、庶民にも広がる
- 17世紀
-
マルセイユ版タロットの誕生
(フランスのマルセイユがタロットの一大産地だったため) - 18世紀
-
占いに用いられるようになる
1909年イギリスのタロットカードメーカーである、ライダー社よりライダー・ウェイトタロットデッキ発売(生みの親は神秘学者のアーサー・エドワード・ウェイト、図柄を描いたのは、パメラ・コールマン・スミス)
ー魔術結社「黄金の夜明け団」の教義の要素をカードに盛り込む
※黄金の夜明け団とは、カバラを中心とした神智学や東洋哲学、錬金術、エジプト神話、タロット占いなどを好む、フリーメイソン(友愛結社)で、一種の魔法学校の様相を呈していた団体です。
20世紀後半になると、神秘家が独自のタロットを創作したり、神秘主義にとらわれない様々なタロットも生み出されるようになってきました。
現代では、様式や構成、絵柄もいろいろなタロットが作られています。
本講座では、かなり性格の違う、マルセイユ版カモワンタロット、ウエイト版タロット、トートタロットを題材にしつつ進めていきます。
カモワンタロット
カモワン版マルセイユ・タロット
マルセイユを代表するタロットメーカーの後継者フィリップ・カモワンが、マルセイユ・タロットの本来の姿を復元。
機械印刷に適合するために省略した色彩や象徴を、膨大な資料を分析することで改めて解明し復元させた。
真正マルセイユ・タロットともいえる。
大アルカナや宮廷カードの登場人物の視線をたどって展開していく。
このように展開していくことで、単なる占いでなく、問題に対して対処する術を、自ら選びとり未来を創造していくことができる。
ライダー=ウエイト版タロット
1909年初版。アーサー・ウエイトが制作
黄金の夜明け団によるタロット解釈
小アルカナの1枚ずつに象徴的な絵柄がつけられている(数札すべてに挿絵が描かれたのはこのカードが初めて)
世界中で使われている
※黄金の夜明け団は、ヘルメスカバラや近代魔術を研究する秘密結社
※錬金術とは
卑金属(鉛や鉄など)を黄金に変える技術
最終目的は賢者の石を手に入れること
本当の意味は鉛のような魂を黄金の魂に変えることー魂の進化
キリスト教支配の弾圧を避けるため
硫黄・水銀・塩
硫黄(男性原理)
水銀(女性原理)
塩(結びつけるもの)
トート・タロット
黄金の夜明け団から独立して独自の教義を打ち立てた魔術師アレイスター・クロウリーの作
1904年に聖守護天使エイワスが来て、新しい時代の到来を知らせる「法の書」を自動書記によって3日で書き上げたらしい。
その後30年の時を経て、トート・タロットの解説書である「トートの書」が発表された。カード化されたのはクロウリーの死後22年経った1969年
クロウリーとアーサー・ウエイトは、ともに黄金の夜明け団にいたが仲間割れ。
カードの特徴はそれぞれ違うけど、どれも魅力的。
他にもいろんなデッキを持っているが、それぞれに性格が感じられます。